ラスは思わず大声をあげ、静かにとシャナに沈められた。



「どうしたの、いきなり。
姉さんがそんな事言うなんて。」


「だって、心配だもの。
お父様、きっと私の分まで貴方に期待をかけるでしょう?」


「そうかもしれないけど…。」


「ラスだけ置いていけない。」



きっぱりとシャナは言い放ち、ラスの手を取った。



「ラスならそつなく冒険者になれるでしょ?」


「でも、スワンはどうするのさ?」


「私達よりももっと貴族に適している人間がいるでしょうよ。」



むくれて、シャナはベラの部屋の方向を見やった。



「確かに。」



ラスは本心はシャナと一緒に出て行きたかった。


シャナの提案に乗ろう。

ラスは心を決めた。



「僕、姉さんと行く。」