その夜



そうっと窓から暗い室内に入る人影があった。



迷わずベッドに向かい、覗き込む。



そして、擦れた声で名前を呼んだ。



「シャ…ナ…?」



そこには、白い服を着て、胸の上で十字架を持った手を組んだシャナが横たわっていた。



枕元には花が添えてある。



アルは息を詰まらせた。



死ん…でる?



「あ、あぁ…。」



嘘だ、とアルは小さく呟いた。



「嫌だぁぁぁっ!」



悲痛な声で叫び、アルは窓から飛び降りた。



したたか膝を打ち付け、アルは呻いた。