次の朝、スワン邸は大騒ぎだった。



…シャナが目を覚まさなかったのだ。



「姉さん、姉さん!?」



ラスが必死で揺すったが、反応はなかった。



「どうして…。」



イザベラは困惑しきり、スワンに至っては放心状態だった。







みんなを下がらせ、ラスはシャナと2人きりになった。



「お願い、姉さん置いてかないで。」


「誰が置いてくもんですか。」



ラスはハッと飛び上がった。



シャナはゆっくりと目を開けた。


「結構動かないのも疲れるのね。」



フフッと柔らかく笑うシャナに、ラスは目を見開いて、凍り付いたように動かない。