月の雫〜The Moon Drop〜





「姉さん、今日は魚だよ。」



「今日はトランペットを聞いて欲しいんだ。
練習して、吹けるようになったんだよ。」




「昨日の夜は大雨だったね。
アルは冒険中だったのかな?」




毎日毎日、ラスはシャナに声をかけ続けた。


そして、何日目かの夜、シャナはやっと声を発した。



「ねえ、もうすぐ春だね。
桜はいつ頃咲くかな?」


「今年は、早いかな。」



ラスは驚いてシャナを凝視した。



「喋った!!」



ギュッとシャナの手を握り、ぶんぶんと振り回す。



「よかった。」