月の雫〜The Moon Drop〜

何年ぶりの涙だろう。



こんな形で流したくなかった。



「泣くのは、姉さんの結婚式って決めてたのに。」



ラスはギュッとシャナの手を握った。



「食べて。
それ以上痩せないで。」



前に比べ、少し細くなったシャナの手を見て、ラスは言った。



ラスは自分で食べさせるのを諦め、スープをすくってシャナの口に持っていった。



「おいしい?」



精一杯、昔シャナが自分にしてくれた時の事を思い出し、話しかける。



「僕は、このスープが大好きなんだ。
姉さん、また作ってよ。」



おいしいね、と尻すぼみにラスは話しかけ、後は涙で続かなかった。