月の雫〜The Moon Drop〜

「僕を見て…。」



ラスはシャナの顔を両手で包み込んだ。



「お願い。
父さんに交渉したよ。
もしかしたらアルに会えるかもしれない。」



アル、という言葉にもシャナは反応しなくなっていた。



「今日は一緒に夕食を食べよう?
父さんが許してくれたんだ。」



ラスはわずかにこぼれ出た涙を拭い、侍女が置いていった料理をテーブルに運んだ。



「ほら、来て。」



シャナの手を引っ張り、ラスは椅子に座らせる。



「食べて。」



手にスプーンを握らせるが、シャナはカタンと手を落とした。



「お願い、僕を見て。」



ラスはまた涙をこぼした。