月の雫〜The Moon Drop〜

「出て行きなさい!
イザベラ、今すぐ出て行きなさい!!」



それでも泣いていて動こうとしないベラに、シャナは怒鳴った。



「私の言うことが聞けないの!?
出て行きなさい!
ここは私の部屋よ!」



ベラは顔を覆って飛び出して行った。



ふぅ、とラスはため息をついてシャナを振り返った。



「よっぽどアルが好きなんだね。
あんなにベラに怒ったの久し振りだよ?」



シャナはあまりヒステリックに怒鳴らない。



というか、ラスも数えるほどしかない。



ただ、いつも相手はベラだが。



「ベラに悪いことしちゃったかしら?」


「いっそ叩いた方がよかったんじゃない?」



シャナはラスと一緒にソファーに座り、話し掛けた。



「ねぇ、ラス。
私、アルと結婚したいの。」


「うん。
いいんじゃないかな。
姉さん、今まで男に夢中になった事ないでしょう?」


「ええ、そうね。」


「なら、アルが運命の人なんだよ。」




シャナはラスの顔を見た。



目鼻立ちがシャナと一緒で母親似。



母親に言われているようで心強かった。