月の雫〜The Moon Drop〜

「いい子だったんだな、お前。」



俺は逆らってばっかだったぞ、とアルはまた豪快に笑った。



「お父様!!」



叫び声を聞いて駆けつけたシャナの妹、イザベラが叫んだ。



後をついてきた弟のラソールも驚いている。



まだ15歳のイザベラはどうしていいかわからず、おろおろと父を支えている。



「ベラ、大丈夫だから。」



イザベラは姉のほうを見ると、また短く叫び声をあげた。



「お姉様!
侵入者が後ろに!」



侵入者と聞いて、アルは顔をしかめた。



急いでシャナは説明する。



「違うの。
私の友達よ。」


「お姉様の?
外出禁止じゃなかったの?」


「私は外に出てないわ。
お父様と出たときに出来たの。」



大事なところを伏せて上手く説明するシャナに、アルは小さく吹き出した。