月の雫〜The Moon Drop〜

「私は、あなたとは結婚できません。」



嫌な奴の目の前で振られたのが余計に気に触ったらしい。


公爵は無造作にコートを着なおし、アルに向かって怒鳴った。



「なんなんだ貴様は!
どうして邪魔をする!
シャナイア、こっちに来い。
そんな奴の隣に立つことはない。」


「私は…。」


「シャナイア!」



公爵は半狂乱になって叫ぶ。


シャナは怖くなってアルの背中に隠れるように身を寄せた。




「おい、シャナ。
コイツと結婚したいのか?」



そんなシャナに気付いたアルがシャナを振り返る。



勿論シャナは首を思いっきり横に振った。



「だってさ、公爵。」



公爵は激怒で真っ赤になった顔を、ドアに向けた。