月の雫〜The Moon Drop〜

「シャナイア!」


「近づかないでください!」



必死になりすぎて追い込まれた事に気付かず、シャナは壁に背中をぶつけた。



とうとう身動きが取れなくなり、がっしりと公爵に掴まれてしまった。



「は、離してください!」



怯えるシャナを離さず、公爵は口を開いた。



「今夜、婚姻届を出します。
私は十分待ちました。」


「一生待て!」



聞き覚えのある声に、シャナはハッと反応した。



「アル?」



公爵が眉をしかめた直後、公爵はどこからか吹いてきた風に吹き飛ばされた。