月の雫〜The Moon Drop〜

「いいえ。
私は階級や財産などどうでもいいのです。」



公爵は熱っぽく話し始めた。



「私は貴方が好きです!」


「は!?」



予想外だ。


まったくこのことは予想してなかった。



シャナは頭をフル回転させ、言葉を探した。



「前から貴方が好きでした。」



シャナはソファーから立ち上がり、後ずさった。



「貴方の階級や財産目当てなら、とっくに婚姻届を出していました。」



好きだから待ったのです、と公爵は言い、立ち上がり、シャナに近づいた。




「お願いです、結婚してください。」


「ごめんなさい、私は…。」



言葉が続かず、シャナはさらに後ずさった。






シャナは混乱で、公爵は興奮で黒い影が窓から滑り込んだのに気付かなかった。