月の雫〜The Moon Drop〜

その後に聞こえたノックに、シャナもすました声で答えた。



「どうぞ。」



ところが入ってきた人物はスワンではなかった。



「バルザック公爵!?」


「こんばんは、シャナイア。」


「こんばんは。」



慌ててシャナイアは立ち上がってお辞儀した。



「どうしてここに?」


「フィアンセに会いにてはいけないのですか?」


「フィアンセ!?
いつ婚約なんかしました?」




シャナは思わず言葉遣いを荒げて切り返した。



どうしてこんな男と婚約なんか!

私は結婚なんかしたくない!



シャナはキッと公爵を睨んだ。