月の雫〜The Moon Drop〜

バタンと扉を閉めた瞬間、ドアがノックされた。



「はい。」



シャナは落ち着いた声で返事をした。



小さい時からよく演技をしてきたからお手の物だ。



「シャナイア。
さっき叫び声が聞こえたが。」


「つまづいただけです、お父様。」


「そうか。」



今度も例の如く、スワンは疑いもせず頷いた。



「気を付けろよ、シャナイア。
もうすぐ嫁入りなんだから。」


「ええっ!?
そんな、誰とです!?」


「バルザック公爵とに決まってるじゃないか。」



当たり前じゃないか、という顔でスワンは言った。