月の雫〜The Moon Drop〜




「動かす時はこうして…。」



今、なんとか挽回しようと、アルはシャナに馬の扱い方を教えている。



「わかった?」


「ええ。」



前を向いたまま、目も合わせずに返事を返すシャナに、アルは落胆してラスを振り返った。



僕、知ーらない。と言いたげにラスは視線を見事に明後日の方向に逸らした。



完全に落ち込んでいるアルに同情しないわけではないが、一番の被害者(?)であるシャナはまだ態度を変えていない。



シャナだって嫉妬くらいするのだ。



死んだ事にして家を出たのだ。



これで他の人に乗り換えられたらいくらシャナでも立ち直れない。



まあ、薬だと思って我慢することね、とシャナは自己完結した。



なんだか好き度が自分の方が大きい気がするシャナは、悔しさもあり、少しの間このままでいることを決めた。