月の雫〜The Moon Drop〜

そっと枕元に近づき、喉元に手をかざす。



ぶつぶつと呪文を唱え始めた時、眩しい光に照らされた。



「なっ…!?」


「フラッシュライトだ。
参ったか。」 



誇らしげなアルの声が響く。



「ルナから出てけよ。」


「嫌だよ。
誰がほいほい出ていくか。」



フンッと鼻を鳴らして老婆は笑う。



アルも対抗するように不敵な笑みを浮かべた。



「ならいいぜ?
あんた消滅するだけだから。」



不審な顔で首を傾げる霊にアルは更に畳み掛ける。



「この光は別名“神の光”って言って、闇の生物が浴び続けると消滅するんだ。」


「嘘だ。」


「別に信じてもらわなくても俺は困らないぞ。」



老婆の霊は懸命に頭を巡らせていたが、しばらくして憎々しげに言い放った。



「小僧め。」



言った直後、ルナが崩折れる。



慌ててアルはライトを消し、ルナに駆け寄った。



よかった、大事はなさそうだ。



「なんだ、僕が出る幕なかったじゃない。」



やれやれと出てきたラスは牧師の格好をしていた。