月の雫〜The Moon Drop〜

「出来たぞ~。」



アルが抱えて持ってきた鍋には、煮込んだイノシシの肉がたっぷり入っていた。



「うわぁ、美味しそう。」



口元を綻ばせるシャナに、優しい眼差しを向けるアル。



その温かい光景を目にしたラスは、自分も幸せになった。



いつか自分もこういう恋がしてみたい、と密かに願っている。



「アル、料理上手なんだね。」


「ああ、まあな。
旅に出たら野宿とか珍しくないし。
自分である程度調理出来ないとのたれ死ぬからな。」



豪快に笑うアルにシャナとラスは尊敬の眼差しを送る。



「ある程度って、こんなのも入るの?」


「いや、はまるとこっていくもんなんだよなぁ、料理って。
俺、鍋物は得意だぞ。」


「そうなの?
かなり意外だわ。」



本気で頬に手を当てて驚いているシャナに、アルは泣きそうな顔で言った。