それから約3週間後、不幸沙汰にして申し訳ないが、ラスはシャナの後を追うようにして亡くなった、という事にして家を出てきた。



「苦しかったぁ。」



シャナ達が待ち構えている家に帰ってきて開口一番コレである。



本当にじっとしているのは関節が痛むのである。



「もう少し気の利いた挨拶をなさい。」



シャナは怒って見せたが、実は嬉しくて仕方がないのだと、アルは気付いていた。



勿論、実の弟であるラスが気付かないハズもなく、後で2人でこっそり笑いあった。









「じゃあ、今晩はイノシシ獲ってきてやる。」



夕方、皆で座っていたとき、アルが突然膝を叩いて言った。



「イノシシ?」


「おうよ。
今夜は少し豪華にしようと思って。
なあ、ルナ。」


「うん。
皆さん、遠慮なさらないで下さいね。」



先を見越して先手を打たれ、シャナは苦笑いで頷いた。