忘れないで

「じゃあ俺帰る!!」

今日の授業が終わった俺は速攻で自転車置き場に走った。

「おう。じゃあな〜」

汰玖がうしろで手を振ってくれている。
「じゃあな〜汰玖〜!」

俺らの友情は永久。



急いでペダルをこぐ。
もう待ってっかなあ。



「波留!」
「しゅん。」
俺を見つけたしゅんが手を振る。
俺もそれに答えて軽く手を振る。

よかった───。
まだいてくれて…。

なーんてドキドキが止まらない。

「しゅんちゃんバイバイ!」
しゅんの友達らしき女がしゅんに手を振った。
しゅんも笑顔で手を振る。

しゅん、もう友達できたの。か。早いなあ。


俺は急に不安になってきた。

しゅんまだ彼氏はできてねーよな?!


俺は自転車をひきずってしゅんと歩いた。
「なあしゅん───。」
「?」
「北高ってかっこいーやついんの??」
「あんまりいないよ」

しゅんはにこっと笑った。
「ただ、みんな元気いっぱいであたしを受け入れてくれた」
しゅんはうれしそうな顔をした。

「あたし友達出来るか不安だったんだ…。

でもみんな友達になってくれるって!」
「よかったな。」
「うん」

しゅんの幸せそうな顔が俺まで幸せにしてくれた。