授業が全部終わって、『やっと波留に会えるー!!』って思ってた。
慶ちゃんと門のとこまで行って波留が来るのを待ってた。


あ…、波留だ


波留が来るのを見つけて手を振った。
波留も軽く手を振ってくれた。そんな些細な動作にきゅん、とする。
波留があたしのとなりを不思議そうに見てたから
「あたしの友達の慶ちゃん!」と慶ちゃんを紹介した。
波留は慶ちゃんにお辞儀した。
「二ノ宮波留です」
波留のちょっと低い声に癒されてた。
「礼儀正しいんだね。あたしは中島慶。」

なんか…
波留はあたしのものじゃないのに波留と慶ちゃんが話してるのを見てちょっとヤキモチ妬いた。
「ねえ波留くん?」
慶ちゃんが波留に話しかけた。
「?」
「なんでしゅんちゃんと一緒に学校来てるの?家近いの?」
波留は少し困った顔してた。
「好きだから」




え?





顔が熱くなった。
慶ちゃんの目が少し大きくなった。
「そーなの波留くん?!
知らなかったあ〜!」
慶ちゃんは驚いていた。
あたしもまだびっくりしてる。
「あ!あたし今日このあと友達と約束してるから!帰るねしゅんちゃん!じゃあね〜」
慶ちゃんはあたしに手を振って波留に聞こえないように耳もとでそっと囁いた。
「やったじゃん!波留くんしゅんちゃんが好きだって〜!
あたし邪魔みたいだから、帰るね!」

「ばいば〜い」
と慶ちゃんに手を振った。

なんか沈黙が流れる。
さっきの言葉、ほんとかどうか波留に確かめたい。
あたしは勇気を出して、聞いてみることにした!
「波留」
「ん?」
いきなりだったかなあ?
波留はびっくりした顔だった。
「さっきの………本当?」
聞けた……。

「…………本当だよ」
その言葉がすごいうれしかった


「あのね……あたしも波留に出逢ってからずっと波留のことが好きだったの…」

ゆっちゃ…った。


「まじで?」
あたしは恥ずかしくて頷いた。