ふと庭が気になり目をやると、物干しにはためく花柄のシーツの陰にチラッと
何かが見えた。何だろう?と思い、意識を集中させてみる。みんなの談笑する声がだんだん遠くに聞こえ、風でめくれたシーツの間から一瞬子供が見えた。4,5歳くらいの男の子だろうか・・・。
「・・・っちゃん、あっちゃん!」
理恵の呼ぶ声にハッとした。
「どうしたん?」
「ごめんごめん。なんか・・・」
「なんかいる?!」
佐智子が早口でつっこんだ。その時、縁側に寝ていたクロが突然、吠え出した。シェパードほどありそうな大きな体に精一杯の声を響かせ、激しく吠えた。
「クロっ!」
佐智子が叱るとすぐに吠えるのを止めたが、眠っていた詩織ちゃんが目を覚まし、泣き出した。
私にはクロが吠えた瞬間、シーツの陰からさっきの子供ではなく、小さな獣の尻尾のようなモノがひるがえり、垣根の奥に消えていくのが見えた。
「怖かったね。大丈夫よ」
佐智子が詩織ちゃんを抱いてあやしている。
「びっくりしたね。やっぱり何か・・・?」
茜が言った。
「ちょっと視てくる。佐智子、そこのサンダル借りるで」
とりあえず何か判断しようと、私は縁側のサンダルをつっかけると、何かが消えた垣根の方へ行った。垣根の向こうは竹やぶで鬱蒼としている。うるさいほど鳴いていた蝉の声がピタリと止んでいる。竹やぶのなかに、結構な数の狸や狐なんかの小動物がチラチラ見え隠れしていた。勿論、生きているものではない。
「なんだ、ここ・・・」
私はしばらくその場で霊視を続けてから部屋へ戻った。
何かが見えた。何だろう?と思い、意識を集中させてみる。みんなの談笑する声がだんだん遠くに聞こえ、風でめくれたシーツの間から一瞬子供が見えた。4,5歳くらいの男の子だろうか・・・。
「・・・っちゃん、あっちゃん!」
理恵の呼ぶ声にハッとした。
「どうしたん?」
「ごめんごめん。なんか・・・」
「なんかいる?!」
佐智子が早口でつっこんだ。その時、縁側に寝ていたクロが突然、吠え出した。シェパードほどありそうな大きな体に精一杯の声を響かせ、激しく吠えた。
「クロっ!」
佐智子が叱るとすぐに吠えるのを止めたが、眠っていた詩織ちゃんが目を覚まし、泣き出した。
私にはクロが吠えた瞬間、シーツの陰からさっきの子供ではなく、小さな獣の尻尾のようなモノがひるがえり、垣根の奥に消えていくのが見えた。
「怖かったね。大丈夫よ」
佐智子が詩織ちゃんを抱いてあやしている。
「びっくりしたね。やっぱり何か・・・?」
茜が言った。
「ちょっと視てくる。佐智子、そこのサンダル借りるで」
とりあえず何か判断しようと、私は縁側のサンダルをつっかけると、何かが消えた垣根の方へ行った。垣根の向こうは竹やぶで鬱蒼としている。うるさいほど鳴いていた蝉の声がピタリと止んでいる。竹やぶのなかに、結構な数の狸や狐なんかの小動物がチラチラ見え隠れしていた。勿論、生きているものではない。
「なんだ、ここ・・・」
私はしばらくその場で霊視を続けてから部屋へ戻った。
