「ところでさ・・・」
夕実も最後の一口を飲み込み、スプーンを皿において改まった。
「あぁ、気にしなくていいよ」
私はテレビを見つめたまま答えた。
私の部屋は玄関から続く廊下と、部屋を仕切るために床まで届くカーテンをかけてある。それと対称の位置の部屋の隅に大きな姿見が置いてあるのだが、夕実は廊下を背中に、丁度姿見が斜め前に見える位置で座っていた。ベランダの開いている窓からいい風が入っていて、さっきからカーテンがユラユラしていた。それが丁度姿見に映っていた。
「なんだ、やっぱり気付いてたんだ」
「うん」
「鏡にさ、チラチラ映るから気になって。ちゃんと見ると見えないのに、テレビを見てると、視界の端っこに映る感じで見えてるような気がして・・・。気のせいかと思ってたよ」
夕実は眉間にしわを寄せて言った。
「こんな、番組見てるからかな。確かにカーテンの陰から見てる男の人がいるよ。顔だけだけど。通りすがりだから、夕実、ちょっと端にどいてあげて」
「通るの?!ここ?!」
夕実は大きな声を出した。
「通られへんもん、仕方ないやん」
夕実はびくびくした様子で、座ったまま後ずさった。
たまにはこんなこともある。
夕実も最後の一口を飲み込み、スプーンを皿において改まった。
「あぁ、気にしなくていいよ」
私はテレビを見つめたまま答えた。
私の部屋は玄関から続く廊下と、部屋を仕切るために床まで届くカーテンをかけてある。それと対称の位置の部屋の隅に大きな姿見が置いてあるのだが、夕実は廊下を背中に、丁度姿見が斜め前に見える位置で座っていた。ベランダの開いている窓からいい風が入っていて、さっきからカーテンがユラユラしていた。それが丁度姿見に映っていた。
「なんだ、やっぱり気付いてたんだ」
「うん」
「鏡にさ、チラチラ映るから気になって。ちゃんと見ると見えないのに、テレビを見てると、視界の端っこに映る感じで見えてるような気がして・・・。気のせいかと思ってたよ」
夕実は眉間にしわを寄せて言った。
「こんな、番組見てるからかな。確かにカーテンの陰から見てる男の人がいるよ。顔だけだけど。通りすがりだから、夕実、ちょっと端にどいてあげて」
「通るの?!ここ?!」
夕実は大きな声を出した。
「通られへんもん、仕方ないやん」
夕実はびくびくした様子で、座ったまま後ずさった。
たまにはこんなこともある。
