今日の・・・

 霊能者とリポーターの若い女の子が怪しげな現象が起こる相談者の家に行き、検証している。私はふんふん、と一緒にテレビを見ていた。何でもその家には霊の通る道が通じているそうだ。
「どうなの?」
夕実が面白そうに言う。
「この人は、本物ちゃう?合ってると思うで」
「へぇ、そうなんや~」
「でも、家に霊道なんてかわいそうだよね」
「運が悪かったなあ」
霊能者は、祭壇を組み、経を上げて霊たちが家を通り抜けないように施していた。
「そりゃ、難しいな」
私はつぶやいた。
「そんなもんなの?」
「しばらくは静かだろうけど・・・。また元に戻るよ、そのうち。だって、道があるねんもん。道があったら通るやろ」
「あらら。じゃ、あっちゃんだったらどうする?」
「そやなぁ、横断歩道と信号を作る!!」
「なんだそれ。もう、あっちゃんの本気ってどんなんだか・・・」
夕実はため息混じりに笑って言った。
「いやいや、ほんまやで。新しく道を作らなあかんからね。それまで、交通規制や」
「へぇ!!・・・・あっちゃんはすごいなぁ」
夕実は感心したように目を丸くした。
「そんなことないよ。私なんか、むっちゃいい加減やからな」