今日の・・・

しばらくして佐智子が口を開いた。
「・・・でもクロは大丈夫なの?」
「あんまりいいことはないよね。年も結構取ってるみたいだし。でも大丈夫、とりあえず処置しとくから。後、ここの敷地の四隅に盛り塩だけしておいて、今晩一晩でいいから」
「わかった。・・・・詩織は大丈夫なの?」
「大丈夫、大丈夫!! もともととても生命力が強い子だし、クロの気持ちもあるし、大きくなるにつれてへっちゃらになるで」
「そんな簡単なもんなん?」
茜が言う。
「まぁ、珍しいケースだとは思うよ」
「あぁ、なんだかうちの犬に会いたくなってきた・・・」
理恵がホロホロと涙を流して言った。
「理恵ぇ、何、泣いてんねん。あんたとこの、太っちょチワワに何をしてもらうっちゅうねん!!」
私は笑って言った。皆にやっと笑顔が戻った。
「それから、もう一つクロから伝言。早く詩織ちゃんと散歩に行きたいって!」