「えーーっ! 居ないのぉ!? 意外~! あたしは居るよぉ! もう大好きでやばいんだぁ~っ!!」
莉絵は顔を赤らめてのろけ始めた。なんだか、すごく違う世界の人に見える。
……元は違う世界の人だけど。
彼氏かぁ……恋なんてした事なかったな。
「恋なんてしたくない。」
心の中でそう呟いた。
いじめられるようになってから、人を好きになった事なんてなかった。
この女子高なら男子と関わらなくて済む。それに好きな人のために友達との関係をギクシャクさせる事なんてない。
それもあって私はこの女子高を目指す事に決めたのだ。
「いいな~! のろけちゃって!」
私は、あたかも羨ましいと言うように莉絵に笑顔を向けた。
笑顔を作るのは結構疲れる。いつか、慣れるかな?


