愛が呼んだもの

(あっ、あたし池原くんのこと…すっすき!なんだけど!)

(え。え、ホントに?じゃあ、こんなボクでよかったら。)

(え?)

(えって。あ!うわっ!ごめんね!?まだつき合おうとか言ってないよね!?)

その会話がとても楽しくって、また好きになった。

洋樹は中一で初めてつきあった人。

すきで、大好きで。

一緒にいるだけで幸せだった。

だけど、初めて一緒に手を繋いで帰ったこと、初めてのキス、初めて洋樹と一つになったこと。

そういうドキドキの緊張感は…

いつの間にか、6年間の日常の中に埋もれてしまっていた。

洋樹とのことを思い出していると、そーいえばと浮かんだ、ついこの間の洋樹の言葉。

(大学から一人暮らししようと思うんだ。実家から通えないわけじゃないんだけどさ、試験とか始まったら忙しくなるし。)

(あ!けど!!優紀ちゃんもいつでもこれるよ!)

そう洋樹は言ったけど、アタシに残ったのは【不安】だった。

だから素直に喜んであげられなくて、

(へ、へー。)

なんて、悲しいことばを洋樹に向けてしまった。