「本気で好きなの。好きじゃなかったらこんなにしつこく告白しない」


今日も霧島は真剣な目をして俺に告白する。
確かにそうだけど、俺のどこがいいのか分からない。



「霧島は“生徒”、俺は“教師”。それ以外に断れる理由もたくさんある」

“教師”と“生徒”
そぅ区別された事がすげぇショックだったのか目が潤んできている。


「霧島を女と見たことは一度も無い」



その言葉に涙が出た。
いつもは泣かないのに、……何で今日に限って泣くんだ。



「もぅ知らない!!」
「塩化ナトリウムでもかぶって溶けて死んじゃえ!!」

「ブッ」
笑うと霧島は更に不機嫌な顔をした。


塩化ナトリウムねぇ(笑)


「何よ……」

「ちなみにこれ塩化ナトリウムね」
机の上に置いていたビーカーを指差した。
それを指にかけた。

「えっちょっ…!!」

「塩化ナトリウムってさぁ…」
「簡単に言えば塩水なんだよね(笑)」

にっと笑うと霧島は赤面した。



「も、もぅっ///」

バタンッと強く扉を閉じて走ってどこかに行った。



そんな霧島に不覚にもかわいいと思ってしまった……。