彼女、香月理沙に彼女役を頼んだのは、単純に彼女だけが僕に好意を持ってなかったからで。

近くなるつもりはなかった。

もう恋なんて諦めていたし。

まさか自分が誰かに惹かれるなんて、思ってもみなかった。

今日でも僕は、彼女のキスシーンが頭から離れなくて、気がついたら嫌いなアフターパーティーにも来ていた。