「…そっか。」

航輝が一言、呟いた。

「って言うかさ、あんたってマセたガキだよね。麻衣子さんも当時21だったから、航輝ってまだ11歳だったわけでしょ?小学生が20超えた人好きになるなんて、生意気~。」

重い空気を断ち切るように、あたしは明るく言った。

「うるせっ!」

航輝が少し照れていた。

「しょうがなかったんじゃん?23歳だった麻衣子さんが、13歳だったあんたを弟にしか見えなくて当たり前でしょ。ってか付き合ってたら犯罪だし(笑)でも今はさ、確かに年齢差は変わらないけど、でも少しは大人の男として見えるようにはなったんじゃん?」

あたしの言葉に、航輝が照れながら言った。

「…サンキュ」

「え?何?聞こえないんだけど~♪」

「お前、うぜぇっ!!」

「ははっ☆」



この時、あたしと航輝の間にあった壁は、もう消えていた。

忍成との誤解(?)も解けて、あたし達は夕食をすませた後、家に帰った。