「…ウワサ、知ってる?」
あまりに普通な航輝に、半信半疑で聞く。
「知ってるよ、忍成俊介と付き合ってるっていうウワサだろ?忍成さん本人が言ったって、すぐ広まってたよ。モモとかメール来たし(笑)」
広めてたのはモモかよっ!
じゃ、なくて。
「で、知っててなんでそんな冷静なわけ?何も言わないの?別れてすぐ、また好きでもない男と付き合って、とかさ。」
「何、それ。バカらし。分かってるってメールしたじゃん。忍成俊介は彼女なんて作んねーよ、どうせうっとおしい女どもを追い払うための嘘とかだろ?勝手に名前使うなって言っといた方がいーんじゃね?」
そう言うと、目の前に置かれたお茶を一口飲む航輝。
何でそんな自信満々に忍成は彼女作らないなんて言えるわけ?
まさか…
「…あん時、あんた達できてたわけっ!!?」
「ぶほぉっ!はぁ!?」
あたしの声に、航輝がお茶を吹き出しながら、びっくりした顔を上げた。
「だって!忍成はゲイだから、あの日、あのホテルのバーで飲んだ日、告白されたんじゃないの!?だから忍成が"彼女"なんて作らないって分かってたんじゃ…」

