第8話
表に、彼女の娘さんが、来たからだ。涙を拭き足早にその場をさる彼女達を引きとめた。「待ってください。

もっと、もっと…、話がしたいんです。あなた方と!貴女の事知りたいんです。そして、僕の事も、知って

欲しい。」そこまで言うと、彼女はそこへ、泣き崩れた。娘を抱いて、肩震わせこう言い切った。

「お話したら、知り合えたら…。この娘の足、直してくれますか?元どうりにして、くれるんですか?

よけいなお節介は…。主人を生き返らして、くれるんですか?」「…。」「そして、この娘に愛をくれるんですか?

わたしに幸せくれるんですか?同情や、哀れみは、要りません。わたしたちに、幸せ…くれますか?」「…。」

僕は…僕は、呆然とただ…立ちすくんで、居た。車道の車の音しか、耳には入らなかった。次の周から

彼女達の姿は、無くなった。