♂好き×嫌い♀




俺が落ちた隙に、
兄貴が遥香の手首を縛っていたネクタイをほどいたらしい。

チッ…


『あ、ありがとうございます』
『…あと、だ、大丈夫?』

なんとあの遥香が心配してくれた。


『遥香…助け…て』

遥香がが手を出して俺を起きあがらせようとすると、

『いいよ、こいつが悪いんだから』

といつもより低い声で言って、俺を睨んできた。


前にも、兄貴がこうなってしまったことは何回かあるが、どうもぶち切れてる時の記憶はなくなるらしい。


病気ではないらしいんだけど。



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