もしかして俺の存在自体知らないとか? 富永遥香がずっと黙っているので、そんなこと考えてしまった。 『あれ、俺のこと知らなかった?』 ともう一度聞いた。 『あっ、知ってた。』 これは素直に安心した。 存在知りませんって言われたら、終わりだもんな。 廊下の視線はみんな俺らに集まっていが、そんなこと気にしない。 見たきゃ勝手に見ろ。 『よかった、ちょっと来て』 ま、俺たちはすぐにいなくなるけど。 富永の手を引いて、走って屋上に向かう。 _