『ちゃんと顔見て言えよ』 『……ぇ…?』 驚いて顔をあげると、視界が暗くなり、温かいものが瞼にあたった。 それがなんなのか理解するまでに、少し時間がかかった。 『やっと泣きやんだ』 と、目を細めて笑う。 『ほら、続き、言ってごらん?』 と笑いながら言ってくる。 でもそれは、いつものような意地悪な笑いではなくて、優しい微笑みだ。 『………好、き……』 _