立ち上がった
あたしを
不思議そぅに
見上げる女の子
瞳が揺れてる
不安なんだろぅ
そりゃそぅだよね
こんな広い場所で
右も左も
分からない子が
1人になったら
不安で仕方ないん
だと思う
『ままとぱぱ
探しに行こっか』
そぅ言って
手を差し延べると
「うん!」
と笑って
あたしの手を
小さな手が
掴んでくれた
「あれ?
紗罹ちゃん
どっか行くの?」
ふいに扉の向こうから
姿を現したのは隼人
『あぁ~
なんか迷子の子
いるから』
そぅ言うと
隼人の視線が
ゆずきちゃんに
移る
「救護んとこ
行くんだ」
『まぁね
今頃親も探してる
だろぅし』
「んじゃ俺も」
ゆずきちゃんの
前まで歩み寄り
視線を合わせる
よぅに屈む隼人は
そぅ言って笑う
「お兄ちゃん
だぁれ?」
「俺?ん~
このお姉ちゃんの
彼氏」
「かれし?」
『ちょっと変なこと
教えないでよ』
「大事な人だよ」
「大事?
ぱぱとままみたく?」
「ん~
似てんのかな?」
困ったよぅに
笑う隼人と
不思議そぅな
顔をするゆずきちゃん
「よし!行くか」
隼人は立ち上がった
かと思うと
ゆずきちゃんを
軽々抱き上げた

