『ココ...』
「こっちこっち」
自転車から降りて
丘の丁度真上
まできた
そこから見えるのは
夜景と花火の
綺麗過ぎる
イルミネーション
ドン
という花火の上がる
絶え間ない音が
地面を通して
感じられる
『...全然
近くないじゃん』
あたしを迎えに
来たとき
花火は近い方が
綺麗とか
言ってないっけ?
「紗罹ちゃん
人混み苦手そぅ
だから」
腰を下ろしながら
あたしを
見上げそぅ微笑む隼人
あたしは
空に咲く花を
眺めていた
『...綺麗』
花火ってこんなに
綺麗に見えるんだ
家から見るのとは
また違った感覚
そぅいえば
誰かと一緒に
花火を見ること
自体久しぶりだ
打ち上がる花火は
一瞬のうちに輝き
静かに舞い降りていく
なんだか切ないな~
なんて
がらにもなく
そんなことを
考えていた

