Milk teA KiiS


『ってかどこ
行くの?』

「花火見に行く」

『だからどっから
花火見る気?』

「いつもんとこ」

いつもんとこ
ってどこだよ

屋上?
なわけないか...

さっぱり会話に
なってない

暗い夜道
街灯が照らす中
ここまで
花火の打ち上がる
音が聞こえてくる

でもこの自転車は
その神社とは
真逆の方向に
向かってて...

坂道が多い道を
進んで行く

「あ.ちっと
寄り道して良い?」

言いながらも
横道に入るんだから
嫌って言っても
無駄なくせに

なんて
無言のまま
その背中を
見つめていた

辿り着いたのは
大きな
レストランの前

こんなとこに
レストラン
あったんだ...

自転車から降りて
眺めるその建物は
すごく綺麗な造りで
いかにも
高級レストラン
って感じがする

「ここ俺んち」

『は?』

こんなでかい
レストランが?

「ちょっと
待っててね」

隼人はそれだけ
言って
中に入って行ったが

ほんの数分して
戻ってきた

「んじゃ行こっか」

それから暫くして
辿り着いたのは
1度2人で
来たことのある
あの丘の上だった