Milk teA KiiS


そぅ高くない
給水タンクの上に
いた隼人が
降りてきてあたし
の隣に腰を下ろす

こぅやって
2人になることは
少なくなかった

ヘビースモーカー
なあたしたちは
必然的に
屋上に集まるし

あの2人は
付き合ってるから
2人でどっか
行ったりするし

たわいない会話を
する日もあれば

何も話さず
ただ空を眺めてる日
もごくたまに
あった

隼人の前で
偽りのあたしでいる
のはやめた

っていうか
最初から素だったっけ

「お.ここなら
結構涼しいね」

給水タンクの上が
こいつの定位置で

太陽を遮るものが
何1つない
その場所は
暑いにきまってる

『あんなとこ
暑いに決まってん
じゃん』

短くなったタバコを
コンクリートに
押し付け消す

もぅ良い加減
ここにいたら
熱射病に
なりそぅだ

「そぅいえばさ」

立ち上がったあたし
に隼人が声を
かけたから
見下ろす形になる

『なに』

「夏休み
後1週間だよな?」

あぁ...
そぅいえば
そんな気がする

来週の今日は
かったるい最後の
授業をしてるはずだ

『それが?』

「いや...
なんでもない」

顔を上げた隼人は
笑いながら
戻るか
と立ち上がり
校内につづく
扉に手をかけた