授業開始の鐘は
とっくに鳴り止んだ
宣言通り
あたしたちはまだ
屋上にいる
「沙罹~」
『なに?』
ねっころがって
携帯をいじっていた
舞奈海が
いきなり飛び起きた
「踊って?」
『は?』
あやうく
タバコを落としそぅ
になるくらい
驚いた
『いきなり何』
「良いじゃん
たまには」
「そぉいやぁ
去年の文化祭以来
だな.沙罹のダンス」
去年の文化祭
あたしや舞奈海
他のクラスの女の子
たちと一緒に
バンドを組んで
フリーステージで
演奏した
舞奈海はドラム
あたしはボーカル
それとは別に
2人でダンスも
踊ったっけ
もとから
ダンスと歌は
あたしの得意分野
って言っても
ただ単に
好きなだけだけど
自信がある
って言うより
負けたくない
ってのが強い
この2つのことに
関しては絶対
たまに屋上で
1人のときは
練習がてら
踊ったりするけど..
「俺も見たい!」
「良いじゃん
あたしも一緒に
踊るから~」
「やれやれ!」
なんで3人とも
ノリ気なんだ
人前で踊るの
それなりに
緊張するんだからね
『わかった
わかった』
「やった!」
早く早くと
言わんばかりに
立ち上がる舞奈海
に続き
タバコを消して
重たい腰を上げた

