「さてと」
時計をチラっと
見た金髪頭に
やっと帰るのか
と安堵したのも
束の間
ソファーから
立ち上がるも
予想外に
冷蔵庫の方に向かって
歩いて行く
「お粥食べれない
と困るから
ゼリーも作ったん
だけん食べれる?」
こいつ何者?
頷いたあたしに
微笑んでキッチンに
消えて行った
「はいど-ぞ」
持ってきたゼリーは
あたしの好きな
オレンジ色をしていた
口に入れると
溶けるよぅな感覚
オレンジの香りと
多分レモンの酸味?
甘酸っぱくて
あっさりしてて
病人には
有り難い口あたり
『美味しいコレ』
自分用にも
同じ物を
作っていたのか
金髪頭も向かいに
座り
スプーンを
動かしている
本当悔しいけど
さっきのお粥も
このゼリーも
食べやすいし
本当に美味しい
今時の男は
料理も出来るのか
なんて
本気で感心した

