時間にしたら
30分足らず
ふと意識が
戻ったとき
あたしの体には
学ランがかけられてて
リビングには
キッチンから漂う
良い香がしていた
「あ.起きた?」
キッチンから
姿を現した金髪頭
まだいたのか
と重たい体を
起こす
重たいと言っても
さっきよりも
随分良くなったのは
感じていた
原に先ほどまで
感じていた目まいも
無くなっている
「お粥作ったんだけど
食えそう?」
食欲は無いはず
なのに
あたしは僅かに首を
縦にふった
「ちょっと
待ってて」
再びキッチンに
姿を消した金髪頭
だったが
数分後には
手に器を持って
戻ってきた
「はい.あ.勝手に
いろいろ使わせて
もらっちゃったけど
ごめんね」
テーブルに
お粥の入った器を
おきながら
それだけ言って
どぅぞ
とあたしが食べる
のを促す
『...いただきます』
まだ湯気が上る
そのお粥を
ゆっくり口に運ぶ
熱のせいで
あまり
味は分からないが
食べやすいのは
良く分かる
飲み込んでも
全く胃に負担が
かからない
ふわっと香る
梅の匂いで
後味の良さを
感じた

