Milk teA KiiS


『なんであんた...』

「病人1人残して
何かあったら
大変だろ?」

あんたと一緒に
いる方が大変だって

さっさと靴を脱いで
廊下を歩いていく
こいつは本当なに

図々しいって言うか
空気読めない
って言うか
ついてけない

「沙罹ちゃん?」

玄関に立ち尽くす
あたしを
また不思議そぅに
振り返る

とりあえず
ここはあたしの家だ

普段のあたしなら
怒鳴ってるけど
今はそんな気力もない

いくらバカでも
寝込みを襲うことは
ないだろうし

なんかあったら
警察に突き出す前に
先輩たちに
ボコボコにして
もらぉう

回らない頭で
そんなことを
考えながら
あたしは無言で
金髪頭を追い抜き
リビングに

キッチンで
水をコップに注ぐと
渇いた喉に
流し込んだ

たかが水なのに
喉や胃が
受付ないのが分かる