「アレ?
誰もいないの?」
数回鳴らしている
チャイムに
応答がないことを
疑問に思ったのだろぅ
金髪頭が
こっちを向いて
首を傾げる
『今誰もいない』
今日は昼間から
母が家を空けること
は知っていた
妹も学校だから
今はいないし
つまりこの家には
病人1が残る
って話なわけで
『邪魔』
扉の前に立つ金髪頭
を退かして
鍵を開けた
家に入ると
案の定誰もいない
静まり返った部屋が
心無しか
寂しく感じた
「お邪魔しま~す」
あたしの後ろに続き
勝手に家に入る
こいつは...
『ここまでで
良いから』
鞄を取り上げ
顔も見ずにありがとう
と告げる
もぅ帰って下さい
という無言の圧力
のつもりなんだけど
こいつには
一切通用して
いないのか
図々しくも
靴を脱いで上がろぅ
としている

