Milk teA KiiS


「後どのくらい?」

『そこの角
右曲がってすぐ』

気付けば家の
周りまで来ていた

「りょ-かい」

本当に送って
もらっちゃったよ

一応...
御礼言うべき
だよね...多分

『ここ』

「ん」

自転車が止まる
と同時に
腰に回していた
腕を解く

『ありがとう』

そぅ言って
自転車から降りた
のは良いけど

うまく足に力が
入らず
ふらついてしまった

「危なっ」

後ろに倒れそぅに
なったとき
腕を引っ張られ
間一髪支えられた

情けない

ふらつく体に
なんとか喝を入れ

『ごめん...』

と鞄を持とうとした
あたしを
金髪頭がやんわり
制する

「鞄.俺が持ってく
から」

『は?』

「そ~んなふらふら
して倒れられちゃ
困るんで」

適当に自転車を
止めながら
笑う金髪頭

いや家ん中
入って欲しくない
んですけど

止めよぅとするけど
体が重く
うまく動けない

後ちょっとの
距離なのに
鞄を持ち終えた
あいつは
スタスタと玄関に
行ってチャイムを
鳴らした

誰もいないんだから
意味ないのに