Milk teA KiiS


隼人の顔を
見上げたまま
言葉を失った
あたし

隠すわけでもなく
ごまかすわけでもなく

潔く流す
隼人の涙は
綺麗だとさえ
思った

「紗羅ちゃん」

ふいに沈黙を破って
静かに響いた
隼人の声

「俺...
フランスに行く
ことになった」

『..フ..ランス?』

「料理の勉強しに
2年間」

唐突に
告げられた事実

さっきから
感じていた胸騒ぎは
これを予感
していたのかと
思うと
切なさで
いっぱいになる