Milk teA KiiS


「紗羅ちゃん」

何度かキスを
交わした後
また隼人に包まれる
よぅに抱きしめられ

今はまた
隼人の腕の中

さっきまでの
力強さはなく

ただ優しく
暖かく包まれている

『なに?』

「ごめんね」

また謝るの?
それは何に対しての
ごめんなんだろぅか

頬を撫でる
冷たい風が
やけにリアルだ

隼人はあたしの
気持ちを知らないはず

それとも
知っているの
だろぅか

分からない

顔を上げたら
困ったように
微笑む隼人がいた

『それは―』

何がごめんなのか
聞こうとして
躊躇う

だって
困ったように微笑ん
でいる隼人の頬を
伝う雫に気付いて
しまったから

泣いてる...?

自分が息を呑むのが
分かる

なんで隼人が
泣いてるの?

なんでそんな
悲しそぅなの?

なんで―