Milk teA KiiS


ふいに
あたしと隼人の
視線が合う

「紗羅ちゃん」

ここに来て
3回目だ
あたしを呼ぶの

なんとなく
そぅ思いながら
隼人の言葉を
待った

「ごめん」

『は?』

やっと言ってくれた
言葉にあたしが
間抜けな声を
出したのと
ほとんど同時

あたしの右腕が
引かれ

一瞬のうちに
暖かい体温に
包まれた

隼人の腕の中

何が起こったのか
理解して
固まるあたし

離さない
と言うかのように
力強さを増す
隼人の腕

苦しいと感じるほど
強く抱かれた中

あたしの頭が
理解するより前に
心臓がうるさい

顔が熱い

ごめんと言われた
その意味も
分からないまま

ただ隼人の腕の
中にいた