Milk teA KiiS


「時間ある?」

『あ..うん』

「じゃぁ乗って?」

言われるがまま
自転車の後ろに
跨がった

なんだろぅ

なんて言うか
いつもの隼人じゃ
ない気がする

いつの間にか
雪は止んでいて

街灯が照らすだけの
暗い道を
自転車は走っていく

こぅやって
でかけることも
今となっては
日常的になっている

何度となく
街まで2人で
遊びにでかけたり

うちに来たことも
あったし

隼人の家に
遊びに行ったりした

その度に
美味しい手料理を
作ってくれて

毎回驚いて

何より
料理を作るときの
真剣な顔

普段の隼人からは
絶対想像出来ない
その顔に

乙女な表現するなら

ときめいたりした

キャラじゃない
とか言わないで

そんなの自分が
1番思ってる

そんなことを
考えていたら

気づけば
辺りは
見知った道を
走っていた

無言のまま
走り抜けるこの道

聞かなくても
分かる

目的地は
あの丘の上...