Milk teA KiiS


『...隼人?』

やっとの思いで
絞りだした声は
寒さとは違う理由で
少し奮えていて

思ったよりも
小さかった

それでも
はっと顔を上げた
隼人には
届いていたみたい

あたしを見つけて
柔らかく微笑む

「良かった.
会えないかと
思った」

『待ってたの?』

「うん」

『言ってくれたら
良かったじゃん』

「いや.明日とかでも
良かったから」

じゃぁなんで
今ここにいるの?

なんて
疑問に思ったことは
言わなかった

こんな寒い中
待っていたんだ

何か理由が
あるんだろぅ

1歩1歩
隼人に近づけば

寒さのせいで
赤くなった鼻先や
耳が見えた

待ってると
知っていたなら

舞奈海に言って
早く帰ってきたのに

それより
昼休みにでも
言っててくれたら
良かったのに

全く
いつも突然なんだ
この男は