『ん~』
唸ってみても
やっぱり
答えなんか
わからなくて
結局出した答えは
『舞奈海と同じかな』
だけだった
「そっか」
相変わらず
あたしも舞奈海も
グランドを
見つめたまま
ふと時計を見れば
もぅすぐ6時
日が落ちるのが
早くなったこの時期は
もぅ既に夕日が
水平線に沈み
辺りは暗くなっている
頬を撫でる風が
一層冷たく
なってきた
もぅすぐ透悟の
部活も終わる時間
だろぅ
「まさか紗羅と
こんな話する日が
くるなんてね」
『ん?』
「紗羅が誰かを
好きになることは
ありえないと
思ってたから」
そぅ言って
苦笑する舞奈海
と目が合った
自分でも不思議
絶対こんな気持ち
隼人に出逢わなければ
知らなかった
こんな話
する日がくるなんて
全然予想して
無かった
『そぉ..だね』
一際高く
グランドから笛の
音が聞こえた
サッカー部が
終わった合図

