「具体的に好きなとこ
と嫌いなとこを
並べたら多分
同じくらいかな?」
いや.嫌いな方が
多いかもしんない
と笑う舞奈海は
やっぱり
透悟を見たまま
「それでも
あたしは透悟じゃ
なきゃダメだって
どっかで思ってる
からさ」
舞奈海が
そぅ言い切ったとき
窓から入り込んだ
冷たい風が
頬を撫でた
舞奈海の横顔は
夕日なんかで
ごまかせないくらい
赤く染まっているけど
今は黙って
おいてあげよぅ
「紗羅は?」
『は?』
「隼人のどこに
惚れたの?」
どこ...ねぇ
具体的に好きなとこ
なんて
正直わかんない
優しいとこ?
それもあるけど
隼人がくれた優さは
優しい人って
そんな簡単な言葉で
表せない気がする
格好良いとこ?
いや.別に顔は
重要じゃないし
うざいとこ...
は悪口だよねもぅ

